飲食店が汚くて辞めたいあなたへ。「我慢してはいけない理由」を元料理長が語る

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クマログ
業界歴15年の元飲食店社員。過酷な労働環境にウンザリし、飲食を去る決意をする。苦戦続きの転職活動の結果、営業職に転職成功。人生が良い方向にガラリと変わったのでその感動をみんなにも伝えたい。努力次第で「飲食店⇒未経験職」転職は可能 。都内在住アラサー男子。

就職した飲食店の厨房を見て、
あなたはこんなことを感じていないだろうか。

「床がヌルヌルしてて気持ち悪い」
「まかない作る気にもならない」
「冷蔵庫の中がカビ臭い」

心の中でそうつぶやいた瞬間、あなたの中で違和感のスイッチはすでに入っている。でも同時に、こうも思っていないか?

「まだ入社したばかりだし…」
「どこもこんなもんだろう」
「我慢が足りないのかな」

俺も飲食店社員時代に同じように自分を責めていた。
しかし断言する。

汚い飲食店で我慢するのは間違いだ。
そして、あなたが感じているその違和感は、「真面目な人間にしか分からない正しいサイン」だ。

この記事では、実際に汚い飲食店で働いていた俺の体験をもとに、なぜ我慢してはいけないのか、そしてどう動くべきかを詳しく解説していく。


汚い飲食店で働くと何が起こるか

最初は誰でも「我慢すれば慣れる」と思う。
でも実際には、慣れるどころかストレスがどんどん積み重なっていく。

「シンクがヌルヌル」
「換気扇が油でギトギト」
「冷蔵庫の中にカビ」
「床が滑って危ない」

こうした環境で働いていると、料理に対するモチベーションが確実に落ちる。
特に調理経験がある人ほど、衛生面の意識が高いから余計にストレスを感じるだろう。

俺も新人の頃、そんな店で働いていた。最初の頃は「どこもこんなもんか」と思っていたが、数週間で心が折れた。

「こんな環境で食べ物を出していいのか…?」

こう思いながら調理する自分に嫌気が差し、そこから心身ともに疲弊していった。


なぜ汚い職場ほどブラックなのか

経験上、厨房が汚い店は例外なくブラック企業率が高い。

理由は簡単で、掃除一つまともにできない職場は、管理も教育もできていないからだ。

たとえば俺がいた店ではこんな感じだった。

  • 店長が掃除に無関心
  • 清掃チェック表はあるけど誰も記入しない
  • クレームが出ても「まぁいいか」で終わり
  • アルバイトが掃除しても誰も感謝しない

こういう店は、人の扱いも同じくらい雑だ。シフトも無理やり詰め込まれ、残業代も出ない。ミスすれば怒鳴られ、休憩もろくに取れない。

つまり、汚さは職場体質の表れ。汚い飲食店にブラック企業が多いのは、完全に因果関係がある。


「辞めたいけど言い出せない」心理の正体

頭では分かってるはずだ。

「この店、無理だ」
「もう辞めたい」

でも、いざ行動に移せない人が多い。
その理由は主に3つだ。

  1. 就職したばかりで辞めたら「根性がない」と思われそう
  2. 辞めても次が見つからないかもしれない
  3. 上司や先輩が怖くて言い出せない

俺も同じように悩んだ。
しかし、今振り返れば我慢しても何も良いことはなかった。

なぜなら、汚い職場は「放置されるのが当たり前」になっているから。

どれだけ正論を言っても変わらない。むしろ「新人がうるさい」と煙たがられるのがオチだ。


その我慢、意味ある?環境が変わらない理由

あなたが「職場を変えたい」と思っても、店長やオーナーにその気がなければ、何も変わらない。

現実的に言うと、
新人や中堅スタッフが衛生環境を改善するのはほぼ不可能。

理由は3つある。

  • 上が「今のままでいい」と思っている
  • 古株が「昔からこうだ」と抵抗する
  • 掃除に時間を割く余裕がない

この3つが揃った職場では、どれだけあなたが頑張っても元通りに戻る。


とはいえ、ここまで読んでも「本当にそんなにひどい職場あるの?」と感じる人もいるだろう。
だからこそ、俺が実際に経験した汚い飲食店での現実を少しだけ話したい。

作り話のように聞こえるかもしれないが、あの頃の俺にとっては笑えない日常だった。


実際に俺が働いていた「汚い飲食店」での地獄体験談

正直、思い出すだけで胃が重くなる。
俺が20代後半の頃、某チェーン系レストランで働いていた時の話だ。
表向きは「人気店」だったが、裏側は地獄だった。

まず厨房の床。油で常にベタベタ。滑って転ぶスタッフが続出していたのに、誰も本気で掃除しない。夜中にモップをかけても、次の日にはまた同じ状態。
それが普通になっていた。

冷蔵庫の中もひどかった。賞味期限切れの食材がそのまま放置。
「まだ使えるだろ」と言って使う上司。その横で俺は心の中で叫んでいた。

「これ、客に出して大丈夫か…?」

でも、口に出せなかった。言えば「文句が多い」と言われるのが分かっていたからだ。当時の店長は数字にしか興味がなく、衛生やスタッフの健康なんてどうでもいいというスタンスだった。

でもある日、俺はとうとう限界を迎えた。営業中に床で滑って転倒し、手首を痛めたのだ。
それでも店長の言葉は一言。

「大丈夫?じゃあ皿洗い続けて」

その瞬間、心が折れた。
「この店にいたら、俺まで腐る」と本気で思った。

そこから俺は、こっそり転職活動を始めた。仕事が終わった深夜、スマホで求人サイトを眺めていた。

“衛生意識の高い飲食店”というキーワードで探し続け、
ようやく見つけたのが、ある小さなイタリアンレストランだった。

面接で初めて厨房を見た瞬間、衝撃を受けた。
床はピカピカ、冷蔵庫の中は整理整頓され、シェフが自ら毎朝掃除していた。

「これが本当の飲食店か…」

働き始めてからは、ストレスが嘘みたいに消えた。仕事が楽しくなり、料理にも集中できるようになった。客にも「美味しかった」と言われる機会が増え、初めて飲食が好きだと心から思えた。

あの時、勇気を出して汚い職場を辞めた自分を、今では心から褒めたい。
もしあのまま我慢していたら、今の俺はきっと笑っていなかった。


この経験を通して、俺が学んだことはたった一つ。
「汚い職場は努力で変えられない」ということだ。

いくら掃除しても、上が変わらなければ現場は変わらない。結局、店の空気を作るのは「トップの意識」だからだ。

俺はあの頃、環境を変えるより、自分が環境を選ぶ側に回るべきだったと強く思う。そして実際に転職してみたら、驚くほど世界は違って見えた。

今、もしあなたが汚い飲食店で我慢しているなら、俺が過去の自分に言いたい言葉を贈る。

「辞める勇気を出した人から、人生は綺麗になる」


汚い職場から抜け出す具体的ステップ

もしあなたが今「辞めたい」と思っているなら、
感情だけで行動するのではなく、計画的に動くことが重要だ。

以下の流れで進めてほしい。

(1) まずは転職サイト・エージェントに登録

現職を続けながらでもOK。
求人を眺めるだけでも、「自分にはもっと良い環境がある」と気づける。

→おすすめリクルートエージェント

(2) 今の職場の問題点を整理する

メモ帳に書き出すだけでいい。
「掃除時間がない」「冷蔵庫が不衛生」など、具体的に記録しておく。
これが面接時に「転職理由」として説得力を持つ。

(3) 面接では“衛生意識”を最優先でチェック

求人票の「職場の雰囲気」だけで判断するのは危険だ。面接では、以下の質問を必ずしておく。

  • 清掃ルールはどのように運用されていますか?
  • 営業後の片付け時間はどれくらいですか?
  • 保健所のチェック体制はありますか?

この3つを聞くだけで、衛生レベルの高さは見抜ける。

(4) 内定が出たら静かに退職準備

汚い店ほど、辞めると言うと引き止めが激しい。
「人手不足だから頼む」と泣きつかれても、流されるな。
あなたの健康と心の方が100倍大事だ。


清潔な飲食店を見抜く転職のコツ

綺麗な職場で働くには、求人を見る目が大切だ。
以下のポイントを意識してほしい。

  • 店舗写真で厨房が映っているか
  • 求人に「衛生管理」や「HACCP対応」と書かれているか
  • 社員インタビューで「環境が整っている」と言っているか
  • 口コミサイト(Google・転職会議)で清潔さに関する評価

俺が転職したホワイト飲食店は、
・厨房がピカピカ
・制服が常に清潔
・掃除当番がローテーションで管理

働いていて気持ちが良かった。そして、不思議なことに人間関係も良かった。
清潔さと職場の空気の良さは比例する。


まとめ:汚い店はあなたが変える場所ではない

汚い飲食店で悩むのは、あなたが真面目だから。だからこそ、そんな環境にいると心がすり減ってしまう。

「自分が我慢すればいい」
「いつか綺麗になるかも」

そう思っているうちは、何も変わらない。あなたが変えるべきは、職場ではなく「環境」そのものだ。

汚い店にしがみつくより、清潔で誇りを持てる店で働いた方が、100倍人生は豊かになる。

転職は怖いかもしれない。でも、その一歩を踏み出した先には、「働くって気持ちいい」と心から思える日々が待っている。

行動しない限り、汚れた環境は変わらない。
今こそ、あなたの人生を綺麗に磨き直すタイミングだ。

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業界歴15年の元飲食店社員。過酷な労働環境にウンザリし、飲食を去る決意をする。苦戦続きの転職活動の結果、営業職に転職成功。人生が良い方向にガラリと変わったのでその感動をみんなにも伝えたい。努力次第で「飲食店⇒未経験職」転職は可能 。都内在住アラサー男子。