飲食店の仕事はなぜ疲れるのか?一番の要因は…

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クマログ
飲食店・ホテルで料理人として15年ほど勤務した後、IT企業のマーケティング職へ転職。仕事の大半をブラック企業で過ごしたため、内部事情にはめっぽう詳しい。【飲食店の裏事情】【仕事・転職】【ブラック企業体験談】 が主なテーマのブログを執筆。都内在住アラサー男子。

アルバイト・社員などの雇用形態に関わらず、飲食店で働いたことのある人なら知って当然なことは、

飲食店の仕事はめちゃくちゃ疲れる

ということ。


激務の代表格として度々名を連ねる飲食業界。


何がそこまで疲れさせるのか?


飲食店歴15年以上の著者が紐解いていきます。

閉鎖的な空間

結論から入りますが、飲食店の仕事で疲れる一番の要因として

閉鎖的な空間での労働

と私は考えます。

【閉鎖的な空間がなぜ問題なのか?】

・従業員同士の距離が近すぎる

・思考や判断力が鈍る

・外部との交流が遮断される


従業員同士の距離があまりにも近すぎる…


これは嫌な人、合わない人でも至近距離で働き続けなければいけないということを意味します。


ホールスタッフならまだしも、厨房で働くキッチンスタッフ・料理人に関して言えばゼロ距離も普通に有りえます。


仲が良い、尊敬できる人たちに囲まれているならまだしも、合わなかったり、パワハラ気質の人間であった場合はもう詰みです。


よく、


「嫌いな人、ウマが合わない人とは距離をとれ」

などと聞きますが、料理の盛り付けや仕込みなど共同でやらざるを得ないシーンでは逃げ場などありません。


毎日至近距離で接することになるので精神的に疲弊するということはもはや説明不要ではないでしょうか?


また、正社員として長時間閉鎖的な環境で仕事をすると、思考や判断力が失われます


アルバイトとして週に3~4回働く程度であれば問題有りませんが、店長になったりして長時間労働が避けられなくなった場合、徐々に脳が劣化していく感覚に陥ります。


お店の広さの問題ではなく、特定の場所で長時間作業することでストレスのかかり方が何倍にも増幅してしまいます。

それ、飲食店に限ったことなの?
他の職場もみんな同じじゃない?

良い質問です。


飲食店に限らず、閉鎖的な空間で働き続けると心身ともに疲弊しますが、問題なのは、

労働時間の長さ

なのです。

長時間労働

飲食店の仕事が他の業種と大きく違うところは労働時間の長さ。

<一般的な職場の勤務時間>
出社:9:30
退社:18:30 たまに1~2時間残業

<飲食店・レストラン>
出社:8:00
退社:24:30

<居酒屋>
出社:14:00
退社:05:30

営業所(お店)の稼働時間が長いので、必然的に従業員の労働時間が長くなります。こればかりは避けられません。


居酒屋や24時間営業のお店だと、不規則な勤務体系を強いられるため、身体へのダメージはさらに大きくなります。

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2020.11.04

精神的ダメージ

飲食店の正社員をやると精神を病みそうになる時が多々訪れます。


特に代表的なのが次のようなこと。

✓論理的思考に欠ける経営陣・店長とのやり取り

✓酔った客の理不尽なクレーム処理

✓汚物の処理やトイレ掃除

言葉選ばずに言わせてもらえば、飲食店で長く働く人は古い考え方の持ち主ばかりです。


休むことなく長時間働くことを美徳としていたり、殴ったり暴言吐くことを指導と認識していたりと。そのような人たちと一緒に同じ空間を過ごしていたら当然のごとく精神を消耗します。


【酔った客の対応】


飲食店でバイトをはじめたものの、すぐに辞めてしまう理由の代表格が酔っ払いの相手をするのがつらいということ。


言いたい放題浴びせられても立場的にも強気に出れない…。黙って聞いていれば徐々にエスカレートしていく面倒くさすぎるおっさんども…。


強靭なメンタルの持ち主でなければ逃げたくなります。

【清掃】

また、店内の掃除は基本的に従業員が行います。


年に数回の業者による点検時以外はトイレ掃除やグリーストラップ(下水)の清掃もスタッフがやらざるを得ません。


匂いやゴキ○リなど害虫を目の前にして精神をヤラれる人も少なくありません。


その他にも…

✓揚げ物フライヤーの掃除

✓コンロ・ダクトの清掃

✓焦げ付いたフライパン磨き

これらのような一筋縄ではいかない作業を行わなけれいけません。やっかいなのが、

めんどくせー

と気を抜いて作業すると大怪我につながる危険性があること。


廃油は温度が下がってなければやけどしますし、焦げを落とすために使用する業務用の洗剤は肌に直接触れるとボロボロになります。


稀に、

掃除大好き!!!

という人も中にはいますが、少数派です。


時間をつぶすのに掃除は打ってつけですが、腰や腕がかなり疲れてしまいます。

肉体労働

飲食店で仕事は…

✓シフト作成や発注の入力などPCを使う作業

✓休憩

✓トイレ

これらの時間以外は基本立ち仕事です。


立っていることが9割以上で座って作業をすることなどありえません。


店員がイスに座りながら客を案内してたり、鍋を振ってる姿を見たことがありますか?


日本でそのような変わった接客を行っている飲食店があればぜひ教えていただきたいです。

【補足】
以前韓国に旅行に行った時、店員は…
・料理を運ぶ
・レジを打つ
・ご案内する

これらが終わった後は空いてる客席に座り、携帯電話いじったり従業員同士で談笑したりしていて衝撃をうけました。

海外の飲食店では割とありえる話だそうですね。

日本では見たことありませんが…

1日中立って仕事をするわけなので当然のように疲れます。


アスリートや体力に自信のある人でさえ口を揃えて

「飲食店の仕事はつらい…」

と言います。

立ち仕事による疲れを予防・回復する方法と続けることの危険性について

2020.12.12

マルチタスク

業界全体が人手不足ということも重なり、志望すれば誰でも簡単に正社員になれてしまうのが飲食店。


そのため、「簡単」な仕事と思われがちだが実はマルチタスクを求められるため、決して楽ではありません

飲食店でのマルチタスク
✓客を案内しながら電話等の予約対応をする

✓レジをしながら日報の作成や発注作業

✓接客をしながらドリンクの作成

✓フライパンや鍋で調理をしながら同時に揚げ物や茹でものの仕上げ

✓仕込みをしながら食器などの洗い物

余程従業員がシフトに入っていない限り、一人が一つの作業だけに集中して行うことなどありえません。


同時に何個も作業をするため、求められるのはマルチタスク能力なのです。


慣れや場数をこなすことで身につけられる作業内容ばかりですが、飲食店の業務全般は油断すると大怪我につながるため、注意を逸らすことは出来ない。


いくらお客さんが少ない日でも、1日飲食店での業務をすると意外にも身体に負担がかかるためかなり疲れるのです。

楽で疲れない仕事などないが、飲食は極端…

楽で疲れない仕事ってないの?

残念ながら、

ありません。

現実的な話になりますが、お金を稼ぐということは簡単ではありませんし、時間や体力を消費せず儲かることなどないのです。


ただ、職種や業界によってはレベルの差がハッキリしているのは事実です。


飲食店に関して言えば、

✓労働時間→長過ぎる

✓給料→低い

✓仕事の難易度→並

こんな感じでしょうか?


どんな仕事をするかは個人の選択の自由です。


耐えられないほどつらかったら辞めて他の仕事をすれば良いですし、好きだから続けたいなら続ければ良い。


ただ、何度もこのページでお伝えしてますが、

飲食店での仕事はかなり疲れる

という事実は変わりません。


結局の所、飲食の仕事を続けられる人は料理や接客が何よりも好きな人なのでしょうね。

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