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新卒での就職活動をしている人、未経験業界への転職を考えている人のほとんどがこう思っているだろう。
答えから先に言ってしまえば、
飲食業界=ブラック率が非常に高い
というのは事実だ。
「飲食店=ブラック」の理由はただ単に「労働時間が長い」・「休みが少ない」だけで済ますことはできない、いくつかの共通な要素が、現在の飲食業界に蔓延し続けているからだ。そして、今後もブラックな環境は続いていくと断言できる理由もある。
今回はアルバイト時代を含めて飲食業界で15年ほど勤務し、数え切れないほどの飲食店を見てきた俺が飲食業界のブラック事情を解説をしていく。
☑ブラック飲食店が消滅しない理由に興味がある人
☑実体験に基づいた飲食業界の闇を知りたい人
☑就活・転職活動をしている
☑「おれの職場ブラックじゃね?」と思っている人
目次 クリックで非表示→
「飲食店はブラック」→それでもなくならない理由とは

- 研修や教育ではなく洗脳
- 異常な労働時間
- 求人詐欺を行う
- 経営者が労働者をこき使うカラクリ
- 低賃金
- 負の伝統
飲食店、というより飲食業界全体がブラック企業と言われている主な理由は上記の通りです。
教育や研修ではなく洗脳

ブラック飲食店が今現在でも当たり前のように存続し続けている最大の理由が、
かぎりなく洗脳に近い、度を越した教育
こう俺は考えている。
◆「家族」「仲間」「助け合い」「夢・希望・情熱」などの臭い言葉を多用する
◆おれたちは家族だからみんなで苦しい時に強力し合う
◆仲間のために辛くても頑張る
◆どれだけ挫けそうでも、助け合いをすれば乗り越えられる
◆夢と希望を持って働け
飲食店の多くが上記のような少年マンガのようなフレーズを乱発し、従業員に押し付けを行っている。もはや布教のレベルだ。
社会人経験のない人や、飲食店でアルバイトをしたことのない人からすれば、あまりピンとこないと思うので、下の動画や、YouTubeで「飲食店 研修」というキーワードで検索して実際にそのシーンを目に焼き付けてほしい。
一体なぜこのような前向き…いや、胡散臭い言葉ばかりを従業員が集まる場で連呼するのか?皆さんは考えたことあるだろうか?
答えは、
●長時間労働、休みが月に4回ほど、1日中立ち仕事という過酷な労働環境
●割りに合わない給料
●みんなが休んでる時(土日祝日・年末年始やGW)に働くという仕事スタイル
ポジティブな言葉を呪文のように繰り返すことで、上記のようなネガティブな背景をかき消すためだ。
朝礼や終礼で社訓を全員で唱和させたり、上で紹介した動画のような研修を取り入れた経営者・オーナーが、戦略的に従業員を洗脳するための虚構(レトリック)と言って良い。

飲食店に限らず、このようなくさい言葉を求人募集で見かけたら要注意です。ブラック率高めです。
- お客様が全て!その次は会社の成長!その次は仲間!自分は最後!
要するに自分なんかよりもお客さんと会社の成長とその他従業員の幸せのためだけ考えて働けってこと。
「客のため、仲間のために自分は苦労しろ!」
俺が経験したブラックな飲食店でも、実際に上記のような内容が社訓に含まれており、朝礼で毎朝暗証させられていた。
- まともな研修・教育が不十分なまま店長(管理職)へ
「仲間が大切」「お客様は神様」などのマインドだけを叩き込み、肝心な店舗運営や生産性を重視したことは教えずに店長に指名された場合は本当にひどいものだ。
売上が悪かったり、人件費が高かったりすると、「お前の要領が悪いから」「仕事の仕方をしらないから」など罵倒され、どの現場もその尻拭いとして店長やシェフを長時間働かせる。
「終わらなければ朝早く出てこい」
「営業終わってからやれ、終わるまで帰るな!」
と勤務時間外の労働まで強いられることは今現在でも当たり前な悲しい現状。
ゴミ同然のマインドを叩き込まれた新人店長はそれに逆らうことなんて出来ない。ほんのちょっとの役職手当をエサに、文句を言うことを禁じられてるのだから。
繰り返すが、ブラック飲食店経営者は、
従業員をわざと教育せずに「仕事が出来ないならせめてみんなの倍働いて鍛え直せ!」と煽って長時間働かないとダメな心理状況に追い込む。
- 長時間労働により心身共に疲れたとこを狙う
飲食店以外で仕事をしている人からすれば、ここまでの話を「異常」と判断すると思うだろう。それが正常だ。
しかし、飲食店の店長を始めとする社員の人はそれに気がつくことが出来ない。
理由は単純で、
長時間労働・マインド研修によって体力的にも精神的にも疲れ果て、冷静な思考を奪われているからだ。

だからみんなの2倍3倍働いた。
休日も捨てて仕事に打ち込んでやっと今の立場になった。
お前もお客さんの感謝の声が聞きたいだろ。
じゃあ仲間や家族同然の俺らと一緒に夢を持って働こうぜ!
(ちょろいなwww)
心身ともに疲労している時に経営者から熱く語られだら、不思議なことに説得力ある言葉に聞こえてしまう。
ブラック経営者卑劣なねらいがここにある。
異常な労働時間
飲食店の正社員は長時間労働を強いられる。
チェーン展開している飲食店だとランチ~ディナー営業は当たり前、下手すれば24時間営業もありえる。
例えば、営業時間が11時~23時のレストランの場合、従業員の出勤時間は朝遅くとも9時前には来て、仕込みやスタンバイをする。営業が終了したら即帰れるわけでなく、片付や翌日のスタンバイなど、やるべき業務は山ほどあるため、深夜0時をすぎることがほとんど。終電で帰れたら良いほうで、酷いとお店で寝泊まり。
おまけに休憩時間もほとんどなく、拘束時間は一日12時間~16時間は当たり前の職場だ。
もっと酷いのが、24時間営業の飲食店。深夜に働いてくれるアルバイトが複数人いれば問題ないが、店長(社員)にでもなった場合、シフトが組めなければその穴埋めとして自分が働くしかない。
ただでさえ深刻な人手不足に悩む現代。莫大な広告費をかけて求人募集を行っても深夜にシフトインしてくれるアルバイトは簡単には見つからない。
その結果、深夜~早朝勤務を終えて、そのまま再び昼の営業から早朝まで働くことになる。このように、長時間労働では済まされないくらいの拘束・勤務時間なのであえて
異常
と表現した。
求人詐欺を行う

簡単に言えば、求人サイトなどに記載された募集要項や、面接時に提示された契約内容とは違う条件を交わすこと。
転職サイトに、
基本給25万円スタート (正社員)
と記載されており、面接を受けて入社することになったが、雇用契約書に書かれていたことは下記のような場合。
・基本給18万円
・能力手当7万円 80時間分の固定残業代を含む
・合計月給25万円
これをみて違和感に気がつくだろうか?
ぱっと見た限りでは、18万円+7万円の計25万円ということで問題なさそうに見える。しかし、固定残業代制を採用している場合、基準の労働時間を超過(残業)しても一切手当が出ないということを意味するのだ。
毎日定時で退社した場合の25万円と、残業を80時間した上での25万円ではあからさまに待遇面で差が開く。後者の場合、タダで80時間働かさせられているのと同等だからな。
前もって募集要項に固定残業代を含んだ給与を記載しているならまだしも、雇用契約書にサインする時や、入社後に初めて知るパターンも大いに有りえる。
俺自身も面接時にも基本給だけを提示された会社に入社したら、後から「うちの会社は固定残業代を前もって払っているから残業手当はつかないよ」と言われて騙され、悔しい思いをした。
また、
休日・休暇 月に8回
勤務時間 シフト制 実働8時間
と求人票に記載しておきながら、実際には月に4回も休めなかったり、毎日16時間拘束されたりすることが飲食店では多い。
一体なぜ平気で詐欺まがいのような求人募集を行うのか?
答えは単純だ。
■求人募集にデタラメを記載しても企業側は特に罰則を受けないから
■より良い条件をアピールして大量に雇用したいから
■条件を偽って入社させた場合でも簡単に辞めれない労働者の事情を逆手に取ってるから
飲食業界がブラック企業の代名詞として広まりすぎたため、昨今は深刻な人手不足に陥っている。莫大な広告費を払って募集しても一向に人が集まらない。
そこで、すこしでも応募が来るように、月収を誇張したり、休みが多くて労働環境が整っているかのように自社をアピールする。多少求人募集に記載する条件を盛っても、なんら罰則を受けないことを良いことに、雇用契約を結ぶ直前まで求職者に本当のことを伝えない悪質な飲食店を数多く見てきましたし、実際にそこで働いてきた。
「うわ、騙された…」
怒り狂ったり、モチベーションが下がったとしても、社会人は仕事をすんなり辞めれない事情があるだろう。履歴書に傷がついたり、次の職場を見つけるまでにかかる生活費を稼ぐ必要があるなど。
このような事情を抱えていること、つまり、弱みにつけ込んで平気で人を騙すような行いをしている会社が飲食業界には多いのも、「飲食=ブラック」と言われる原因でもある。
経営者が労働者をこき使うカラクリ


こんな異常な労働環境が存続し続ける理由の一つとして、飲食店経営者は「特別条項つき36協定」を取り入れてることが言える。
ざっくりと説明する。
法定労働時間は1日8時間・週に40時間までと日本の労働基準法で決められているが、「特別条件つき36協定」を会社側と従業員側のお互いで契約すれば、法定労働時間を超過しても良いとルールなのだ。
ただし、この協定を結んだとしても超過していい回数は年間6回までで、それをオーバーすると、経営者が罰則を受けるという決まりになっている。
が、しかし、悲しいことにブラック飲食店の社員だと法定労働時間を超過する回数は、年間6回どころか年12回とかが当たり前のようにおこる。

という疑問に回答すると、経営者はあらゆる手段でそれをグレーな方法で回避しているのが現状だ。
実は36協定は管理職(正確にいえば管理監督者)には適応されない協定。
飲食店を経営する会社、というかブラック企業の特徴の一つとしても同じことがいえることだが、入社してすぐの人間を店長や~~管理、△△マネージャーなどの管理職にし、36協定の範囲外にぶち込む。
店長や役職のある飲食店の正社員が、経営者に意義を申し立てたらこんなやり取りでその場が終了する。




固 定 残 業 代
をな!
低賃金
飲食店の正社員になれば、高校・大学の新卒で一般企業(飲食以外)に就職した一年目の人より一ヶ月あたりの給与は高い傾向にある。
繰り返しになるが、飲食業界は出世が早く、正社員雇用された場合、翌月から即店長・料理長(管理職)に就任するケースが珍しくないからだ。その管理職の能力給として若干高めに設定されているのが一般的。
これだけ聞くと飲食店で社員をやれば稼げるようにも思えるが、当然のように固定残業代やみなし残業が含まれているため、一般的な会社と比べて労働時間が長くてもそれに見合った額のお金は手に入らない。
ストレートに言うと、
残業代なんてもらえないに等しい。
36協定の項目でも言ったが、入社してすぐに管理職にして、時給が発生するアルバイトでなく社員、しかも労働基準監督署に目を向けられない店長を存分に使い尽くすのが経営者の狙いだ。
負の伝統
ここまで飲食業界がブラックと言われ続ける理由を何個か例に挙げてきた。この業界が世間一般から底辺と言われてしまうのは、悪い伝統を引き継ぐこと。なぜなら、洗脳に近い教育や研修を受けて、それを耐えきった人が、新たな飲食店を作り、同じように自分の従業員に落とし込むからだ。
断言するが、このサイクルは永遠に続くだろう。
自分が勤めている職場はどうなのか知ることは大切
ちょっと過激な言い回しが多く、不快に思う箇所もあったかも知れない。よりイメージしやすく、就活中の人や未経験の飲食業界に転職を検討している人の判断材料になってほしいという思いで、書きたいこと書かせてもらった。
飲食店で働いている人も、それ以外で勤めている人も、自分の会社は果たしてまともなのか、それともブラックなのかを知ることは大切だ。

いいえ、それは違うな。
自分が勤めている職場がブラックなのか健全なのか、知らずに働き続けると、時間と労力を搾取され続けるだけでなく、正常な思考や冷静な判断力をも奪われ、人生を台無しにする。
たしかに世間一般からする「ブラック企業の特徴」に自分の会社が合致したという事実は受け入れ難いだろう。でも、知ったことによって自分が起こすべき行動が見えてくることもある。
「このまま今の職場を続けて本当に幸せになれるのか?」
「異常とも思われる職場に居続けること、耐えることが正義なのか?」
よく考えてほしい。
耐えられないなら行動しよう

はい、そうやって嘆き悲しんでるだけで、現状に背く勇気がないなら本当に終了する。諦めるといった決断をすれば、ブラック経営者の操り人形として一生を過ごすことになるし、間接的にブラック企業の繁栄に手を貸してることとも言えるだろう。
ブラック企業は長くいればいるほど、やめれなくなる。知らず知らずに洗脳され、体力とまともな思考が奪われ、「今の社長=人生の目標」にいつのまにか切り替わってしまうからだ。
自分の職場がヤバいと気がついたら行動しよう。あなたが今いる職場が全てではない。
ブラック企業に酷使され精神的にも体力的にもキツイ人にとって、そこから抜け出す決断をするだけでも大変だろう。俺もそうだったが、ヘトヘトになりながら次の職場を探すのは、日常の長時間労働よりもキツく感じた。
しかし、今となってはブラック企業を抜け出す決断をしたことは、本当に正しかったし、その苦労をしなければ、今もなおブラック社長の駒同然だっただろう。一昔前とは違い、今は忙しかったり、気力がない人でも助けてくれる転職サイトや転職エージェントも多くある。
今現在の「異常」な環境を抜け出すのを手助けしてくれる頼もしいサービスだ。うまく活用しながら、改めて自分のこれまでの仕事を見つめ直すのが良いと思う。
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