飲食店の正社員が底辺・負け犬と言われる5つの理由【飲食歴15年以上が考察】

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クマログ
飲食店・ホテルで料理人として15年ほど勤務した後、IT企業のマーケティング職へ転職。仕事の大半をブラック企業で過ごしたため、内部事情にはめっぽう詳しい。【飲食店の裏事情】【仕事・転職】【ブラック企業体験談】 が主なテーマのブログを執筆。都内在住アラサー男子。
このページの内容
飲食店の正社員が「底辺」という眼差しを向けられる背景について、著者(飲食業歴15年以上)の実体験をベースに考察しています

私が飲食店で正社員として働こうとしている時、友人や親戚に言われた言葉で印象に残っているものがあります。

「飲食なんてやめとけ、底辺のやる仕事だぞ」


「なんで飲食を選んだ?負け犬かお前」

当時は、ただの悪口というか、偏見のような感じがしてとても気分を悪くしてました。


しかし、飲食店やホテル・結婚式場などの調理場で15年以上働き続けた結果、彼らが言わんとすることがようやく理解することが出来ました。

飲食店の正社員が底辺や負け犬と言われる理由を実体験を元に語ります。

飲食店の正社員が「底辺」・「負け犬」と言われる・思われる理由




なぜ飲食が底辺職に思われるのか?


元飲食店従業員の私はこのように考察しています。

■働くのに資格・学歴・職歴を問われない

■年中求人募集を行っている

■長時間労働による社畜化が避けられない

■働いている人間の質が低い

■多くの人が休んでる時こそ働く

働くのに資格・学歴・職歴を問われない

飲食店を新規開業したり、レストランを経営する会社を設立する場合、調理師免許か防火管理責任・食品衛生責任者の資格が必要です。


あくまでも新しく独立開業して自分の城を築く場合の話。


しかし、イチ雇われの身で飲食店で働く場合は資格など何も必要ありません。


料理人=調理師免許のように思われるかもしれませんが、実はただ働くだけに関しては資格など一切必要ないのです。


「料理の鉄人」などに出演しているあの有名料理人も、某大手ホテルの総料理長も、実は調理師免許を持ってないということは決して珍しくありません。


免許や資格に限らず、学歴や職歴もほとんど問われない。


来る者拒まず状態の業種なので誰でも就職出来てしまうのです。


続けられるかは別問題ですが…。


飲食店で働く場合に資格は何一つとしていらない。
それどころか学歴・職歴すら不問のところがほとんど。
職を失った負け犬がしがみつく仕事という認識があるのも事実。

年中求人募集を行っている=採用のハードルが低い

「来る者拒まずの状態」

これは裏を返せば人手不足に悩んでおり、誰でもいいから雇いたいということを意味します。


高学歴エリートが就職志望する会社の多くが、

■TOEIC〇〇○点以上
■〇〇の資格必須
■面接複数回&入社試験・適性検査の実施
■経営陣や役員の前で最終面接

このように簡単にはいかないものばかり。

しかし、飲食店だと先程も書きましたが、特別な資格を保有していなくても1回の簡単な面接(まれに2回ありますが)で採用されるのです。


飲食以外の企業であれば、本社で役員クラスの人間が採用を担当するのが一般的ですが、飲食店の場合だと店の客席、もしくはバックヤードで面接が始まります。


飲食店の営業モデル上、クローズが出来ないため営業中に店内で面接することも珍しくありません。

【こんな面接あり?本当にあった飲食店の面接~採用までのあきれる過程】

少しだけ私が働いていた飲食店の昔話をさせて下さい。


人手不足に悩むとあるイタリアンレストランにて正社員の募集を行ってました。そこで20代前半の男性から応募があり、面接までお店に来てもらうことに。



面接会場は店内です。しかもバックヤードなどの別室ではなく客席


飲食店の面接は食事をしている客の隣で突如として始まることも珍しくはありません。


アルバイトの面接ではなく、正社員の面接ですよ。他業種、他職種で働いている方からすれば驚かれるのでは?


まぁ、100歩譲ってここまでは良いとします。


問題はこの後。


店内で面接をしている最中に思いの外お客さんが来店し、調理や提供が大幅に遅れはじめました。


そうなると、面接官をしていた店長はオーダーをさばくために、面接を一時中断し業務へ戻らなければなりません。いや、店長が戻ったとてその日はアルバイト人員も不足しているというピンチ。


その時店長が下した決断は、面接にきていた青年に、

店長
ちょっと手伝ってくれ…

と言い、皿洗いやテーブルのバッシングをさせたのです。


面接に来たつもりが、気がついたら無償で店内の業務をやらされている…。

青年はこの時何を思ってたのでしょうか…。


こんな出来事飲食以外にあるのですかね?


後日、人当たりも良く、急な出来事にも冷静に対応してくれた青年に好条件での採用連絡を入れるも、音信不通。「この店ダメだな、働きたくねぇ」とでも思われたのでしょう。


当然の結果かと…。

※実話です

【低すぎるハードルが故に飲食は舐められる】


人手不足なお店であれば、面接に来た瞬間に即合格を告げて、いつから来れるかという話がいきなり始まります。


とにかく、飲食店は入社に至るハードルがものすごく低い


低すぎる。


誰でも簡単に正社員になれてしまうからこそ、激しい競争に勝ち抜きやっとの想いで内定をとれた人からすれば、飲食の社員は底辺に感じるのでしょう。

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だれでも簡単に入社できる仕事が故に底辺職と思われがち。

長時間労働による社畜化が避けられない

アルバイトであれば基本的に自分が希望する時間帯にシフトインして働く時間を決めれますが、正社員となると飲食店では長時間拘束されることが避けられません

・サービス業なのでみんなが休みの土日祝は仕事
・薄利多売なため稼働時間を可能な限り伸ばして利益を得る収益モデル
・深刻な人手不足なため、固定給の社員が休日返上で出勤

飲食店が他の職業に比べて圧倒的に労働時間が長い最大の理由は稼働時間(営業時間)の長さ。


単価の低い商品を回転率を頼りにたくさん売らなければ儲けが生まれないビジネスなため、売り上げを伸ばすためには営業時間を伸ばさなければなりません。


営業時間が伸びれば当然、従業員の勤務時間や拘束時間が長くなる。


稼働時間を増やして売り上げをあげても時給制のアルバイトを長時間働かせるとその分人件費がかかるため本末転倒。


そこで固定給の社員を長く働かせることで人件費を抑えにかかるのが飲食業の基本です。

法定労働時間は1日8時間 一週間で40時間

と国で決められていますが、ほぼ全ての飲食店では労働時間を伸ばす取り決めである「36協定 特別条項」を企業と労働者の間で結んでいるため、1日12~16時間労働、月間で400時間という異常なほどの労働環境が生まれます。


ですが、ここである疑問が出てきます。

「長時間労働=底辺」なの?

ここからは私の考察です。


長時間働かざるを得ないことが底辺というわけではなく、そこまで良い給料とは言えない額で、命を失うレベルに健康に害が及ぶほどの労働を課せられている。


それにも関わらず、「やばい」「異常」「やめたほうがいい」などと疑わない


さらには経営陣を始めとする上層部に、労働環境の改善案等の申し立てしない社畜状態で働き続ける人ばかりである世界が、飲食以外の職種の人からすれば信じられない光景に映るからでしょう。


わかりやすく、一言で言ってしまえば、

「兵隊のように無抵抗で働き続ける」

これこそが、飲食が底辺と呼ばれる最大の理由と私は考えます。

・死ぬほど好きで飲食の仕事をしている

・体力的・精神的にすでに壊されており環境の改善に取り組めない


・ひたすら働くことだけに専念しており、意見の申立をする気力がない


・「長時間働くことが美徳」という古い伝統を植え付けられている

飲食で半端ない働かせ方されているにも関わらず、文句一つ垂れずに黙々と勤務している人に多い特徴です。


私は数多くの飲食店を渡り歩いて様々な人と一緒に働いてきましたが、飲食歴の長い人は上記のような背景が必ずあります。


毎日定時に退社でき、土日祝休み。お盆休みや年末年始休暇のある社会人の人からすれば、飲食業界が「負け犬」や「底辺」と感じる部分はここでしょうか。

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安月給で体を壊すレベルの長時間労働を課せられているということが、底辺と言われる由来。

働いている人間の質が低い

飲食店の店長や、料理人に高学歴エリートはほぼいません。


「学校の勉強ができる=人間性が良い」とは思いませんが、飲食店で働く正社員には学歴が低くその他の職歴や経歴に穴だらけの人で人間性が終わってる人が多い傾向にあるのは事実。

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上述した通り、飲食店は学歴や職歴がなくても参入できる職種です。


その現場でベテランというだけで新人に暴言を吐いたり、ぶん殴ったりなど平気でする人もたくさんいます。


また、お店の食材を盗んだり、しょうもない額のレジ金を自分の財布の中に移したりなど、困った正社員の人間を数多く見てきました。

悲しいことに長年飲食店で働いてきた正社員にはロジカルな思考の人間は少ない。
日々の激務により思考が偏る傾向にある。

多くの人が休みの時こそ働く

飲食店をはじめとしたサービス業の多くが下記の時間帯での労働が発生します。

●土日祝日
●GWや年末年始などの大型連休
●深夜または早朝

大勢の人が休みを楽しんでる時に働く…。


これ、土日休みの一般的な勤務体系の人がサービス業のことを軽蔑するわけではありません。むしろ「こんな時にも働いてくれて本当にありがとう」という気持ちの人がほとんどではないでしょうか。


実は現役で飲食で働いている人ほど、自分たちのことを「底辺」や「奴隷」といったようなネガティブな表現をする傾向にあるのです。

●連休が取れず旅行に行けない
●子供の学校行事に参加できない
●ふるさとに帰省する事もできない
●不規則な時間帯での勤務のせいで日中に何もする気力が沸かない


病院や役所に行くには飲食などの平日休みの職業が何かと都合が良いかもしれません。しかし、やはり大多数が仲間や家族との休日を謳歌している時に自分はしんどい思いをして働いているという現実を冷静に分析すると、「負け犬」のような心境になりやすいのです。

サービス業で働く多くの人が、
「みんなが休日を謳歌している時に働かなければいけない」ということを負い目に感じている

ネガテイブな内部事情が簡単に明るみに出る時代


面白いことに、

「飲食店 社員」

とGoogleやYahooで検索欄に入力すると、

「飲食店 社員 底辺」

とサジェスト(予測ワード)が表示されます。


これは、多くの人が「飲食店 社員 底辺」と検索しているため、大手検索サイトの予測語句に出現するということです。


では、一体誰が、何の目的でこのような言葉で検索をかけるのか。


ここもあくまで私の考察になります。

飲食店でアルバイトとして働いた(働いている)10代~20代前半の若者が、バイト先の店長などの社員について感じることをSNS等でシェアするため


こう考えます。

アルバイトの情報交換のためにインスタやXといったSNSや某掲示板などに飲食店の仕事内容などがシェアされてますが、どのページにも必ずと言っていいほど社員の悪口が投稿されてます。

■料理長がすぐにブチ切れる
■店長の言ってることとやってることの違いが多すぎて混乱する
■とにかく社員全般がうざい

など。




匿名ということで好き放題書き込むのも大概ですが、実際に多くの若者にこう思われているという事実でもあります。このようなネット上の書き込みはものすごいスピードで多くの人に拡散されます。


それ故、飲食店社員の人間性の悪さが若者を中心に広がり、底辺と揶揄されてしまう…。


このような背景でしょうか。

飲食店の社員がうざいと思う瞬間16選!

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誇りを持って働いている場合は気にするな!

このページをここまで読んでる人の9割が飲食店で正社員をやってる人か、これから飲食で働こうか迷っている人だと思います。

飲食店の正社員の人へ

今現在バリバリ飲食店で働いている人からすれば、

「なんだこの文章、ふざけるなっ、俺は誇りをもって飲食で働いてるぞ!」

という怒りの意見か、

「うん、間違ってない」

という共感の声だと思います。

【元飲食店店員の全力の反論】

将来的に自分のお店を持ちたくて一生懸命日々働いている人や、料理や接客が大好きな人にとって「底辺」など言われたら腹が立つのは当然です。


信念持って働いている場合、周囲の批判的な意見は無視しましょう。


飲食店で働く人を小馬鹿にする人ほど、お金をかけて毎日美味しいものを食べている人ばかりです。
労働環境が劣悪だったり、重労働の割には給料が少なかったり不都合が多い職種ですが、飲食店は多くの人に必要とされています。

●美味しいか、マズイか明確にジャッジされる料理
●愛想の良さや清潔さを見られる接客

この2点が主に注目されがちですが、飲食店の最大の強みは、他には代えがたい「空間」にあります。

●大切な人の誕生日を祝う空間
●仲間を喜ばせるためのサプライズする空間
●恋仲になりたい人とドキドキしながら食事をする空間


あなたも上記のような空間を求めて飲食店を利用したことが必ずあるはずです。この瞬間、その空間は一生記憶の中に、良い思い出として残り続けます。
この話を聞いても尚、その素敵な空間を作っている従業員のことを「底辺」と見下すことの出来る人はいるでしょうか?

【飲食の仕事に疲れてしまったあなたにアドバイス】


また、なんとなく底辺と言われることに慣れてしまったり、認めてしまって諦め気味の人は、今の状況を整理したほうが良いでしょう。


実はすでに飲食で働くことに嫌気がさしていたり、もともと向いていない仕事である可能性が高いです。

本当に今のままで良いのか?


この先もずっと飲食で働いていく覚悟はあるのか?

飲食でこれから働こうとしている人へ

残念ながら、飲食の仕事が底辺と思われる理由が多く存在することは事実です。特に学歴不問で誰でも働けて、休みが少なく給料も低い。お店や会社によって多少差はありますが、激務であることは間違いありません。


薄利多売のため、長時間拘束されることは確定であるため、飲食店の正社員になると、残りの人生のほとんどを飲食の仕事に捧げることになります。


精神論になりますが、覚悟とか信念というより、心の底から「飲食の仕事が好き」と思ってなければ長く勤めることは出来ない仕事であると、飲食歴15年以上の私が断言します。

【3分でわかる】飲食店の社員の将来性【希望と絶望】

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2020.05.21

飲食の社員を「辞めたい」と思っているなら即行動

飲食の仕事は底辺か否か?
正直この議論は意味がありませんし、職業を名指しし、「底辺」と決めつけるのは差別・偏見でしかありません。匿名のネット上ならまだしも、現実世界で口に出して「底辺」と表現するのは思わしくありません。


しかし、残念なことに一部の人間からしてみれば底辺と思われ、ネット上に書き込まれてしまう事実は、解決されることはありません。

・休日返上で頑張り続けても昇給はなく、それどころか残業代すらロクに出ない

・1日の拘束時間が長すぎて家族と過ごす時間がない

・ブラックな職場が多すぎて辞めることすら出来ない


もしあなたが現役飲食スタッフで上記のことが苦痛に感じるのであれば、早めに他業種・他職種へ転職してしまうほうが人生の充実度は上がります。

新卒で飲食店に就職して後悔!辞めたい人へ送るメッセージ


「飲食店の仕事が大好き!」


と心から感じてるのであればこの先も耐えれる可能性はありますが、好きでもなく、将来的な目標も何もないまま飲食業で働き続けるのは時間的損失が大きすぎます。


薄利多売で稼働時間が他職種より断然長いため、この先同じ飲食でも拘束時間と労働時間の長さから逃れることは難しいでしょう。


20代~30代前半であれば、他業種へ転職することも十分可能です。

「本気で辞めたい」


「これからずっと飲食で働くのは嫌だ」

そう思うのであれば行動は早いほうが良いでしょう。

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飲食店・ホテルで料理人として15年ほど勤務した後、IT企業のマーケティング職へ転職。仕事の大半をブラック企業で過ごしたため、内部事情にはめっぽう詳しい。【飲食店の裏事情】【仕事・転職】【ブラック企業体験談】 が主なテーマのブログを執筆。都内在住アラサー男子。